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マイナンバー対策のセキュリティーサービスを提供。
福岡証券取引所IPO挑戦隊として株式公開に始動。
株式会社 福岡情報ビジネスセンター
代表取締役
武藤 元美 氏
DATA
住所:福岡県福岡市博多区博多駅前3丁目26番29号
事業:システム開発・クラウドセンター運営・サイバーセキュリティー
設立:1998年07月21日
H P:http://www.fbicenter.co.jp/
創業時からIBM製サーバー「PowerSystems」を用いた基幹系コンピューターシステム構築を請け負ってきた株式会社福岡情報ビジネスセンターは、4年前から受注請負型からサービス提供型へのビジネスモデルの転換を図って現在、クラウド、モバイル、ソーシャル、セキュリティーの各分野でのITサービスの開発を手掛ける。 
昨今、注目され始めたマイナンバーに対応したセキュリティーサービスである「MySOC(マイソック)」についても開発元、データセンターとの〝三位一体〞体制で企業・団体などを対象とした普及活動に力を注ぐ。
2019年7月に福岡証券取引所IPO挑戦隊としての株式公開(IPO)を計画する同社の武藤元美代表に現在のITビジネスモデルの状況やこれまでの経緯、今後の構想や展望などを伺った。
アメリカ・IBM研究所視察を契機に受注請負型からサービス提供型へ業態転換
技術と信頼でネットワークシステムを構築していくエンジニア集団として、そしてお客さまの経営上の成長・発展をIT分野から支援していくビジネスパートナーとし日々、新たな挑戦を続けながら研鑽を重ねています。
創業時からIBM製サーバー「PowerSystems」を中心とした基幹系コンピューターシステムの請負構築を手掛けてきましたが、4年前からクラウドサービスなどの開発に乗り出しました。そして、現在では、自社保有のクラウドセンターの運営をはじめ、各種クラウドサービスの開発、スマートディバイス向けのモバイル事業も手掛けています。さらにeコマース(電子取引)などのソーシャルでのサービス開発に取り組み、今後はITセキュリティー分野に力を入れていきたいと思っています。
この4年間で、従来の受注請負型からサービス提供型のビジネスモデルへと転換するきっかけとなったのは4年前にIBM研究所を訪れたアメリカ視察でした。当時、アメリカでは既にクラウドサービスが普及し始めており、銀行のオンラインシステムを大手システム会社ではなく、中小のシステム開発会社が担当していました。アメリカで最先端のIT動向を見て回って、福岡へ帰ってきた第一声が、「これからクラウドの時代がやって来る。当社もクラウド分野に参入する」という宣言でした。
クラウド参入には長年蓄積していた内部保留資金を次ぎ込みながら、先行投資となるシステム開発や展示会の開催、さらにメディアを用いた情報発信などで色々な苦労をしながら押し進めました。
その結果、自社保有のクラウドセンターを立ち上げることができ、金融機関が利用するシステムをクラウドサービスの形で受託運営できました。この件については、アメリカのIBM本社から「グレイト(素晴らしい)」との評価をいただき、IBMのサイトに成功事例の一つとして掲載されています。
クラウド、モバイル、ソーシャルに続き、セキュリティー分野へ進出
安全で健全な情報化社会へと発展していく上でITセキュリティー情報の普及・浸透が不可欠です。現在のクラウド、モバイル、ソーシャルの各分野でのサービス開発に加えて、新たにITセキュリティー分野でのサービス開発にも力を入れていきたいと考えています。
昨年から依頼されて、情報セキュリティーエンジニアを発掘・育成していく「セキュリティー・キャンプ」を福岡で開催しています。コンテストの上位入賞者は世界大会に出場して、海外の強豪と腕を競う者もいます。
また、今年5月にはITセキュリティーに対するリテラシー(能力・意識)向上を目的にNPO法人「サイバーネットワーク研究センター」を立ち上げました。
同センターでは、セキュリティー・キャンプをはじめ、セキュリティー関連のシンポジウム・講演、イベントなどを企画・開催していきます。そして、市民や企業、各種団体、教育機関など向けにコンピューターやネットワークシステムを利用した犯罪の防止や被害の拡大防止に役立つ技術や知識、情報の普及・浸透を図っていきます。
マイナンバー対応のセキュリティーサービスを〝三位一体〞体制で提供
いよいよスタートするマイナンバーについても「セキュリティー対策を考えないといけない」と思っていた矢先にセキュリティー・キャンプで知己を得た日本のセキュリティー界で第一人者の方々とのご縁を頂き、当社がお客さまに近いポジションを生かしたプロモーションを担当していくことで、開発元とデータセンター担当の受託企業との〝三位一体〞の体制でマイナンバー対応のセキュリティーサービスを提供しています。
私どもが取り扱うマイナンバー対応セキュリティーサービス「MySOC(マイソック)」は、インターネット経由でダウンロードでき、クラウド技術を用いてマイナンバーの取り扱いを監視していく仕組みです。
マイナンバーのガイドラインでは、「マイナンバーを取り扱うパソコンとともに取り扱わないパソコンについても一緒に監視しなければならない」ことが定められており、違反した場合、厳しい罰則が科せられます。
たしかに給与や人事系のソフトの中にはマイナンバー対応をウリにした製品が出回っていますが、これらのソフトは設定したパソコンのみしか作用しないため、ガイドラインの対象である全てのパソコンについては対応していません。
MySOCではクラウドを介して対象となる全てのパソコンを監視して、定期的にレポートを発行します。もしも不適切な取り扱いがあった場合は即時、警告を発する仕組みになっています。
クラウド、モバイル、ソーシャルに続く、ITセキュリティー分野においては今後、早急なマイナンバー対応が求められるため、今年7月に社内に「サイバーセキュリティ事業部」を新設して、MySOCの普及・浸透に努めています。
福証IPO挑戦隊8期生として、新たな経営ステージを目指す
クラウドを手始めにモバイル、ソーシャルに加えて、ITセキュリティー分野での事業が拡大していく中、新たなステージでの展開を意識して前期からことあるごとに「将来的に株式公開(IPO)を目指す」と社内で言い続けていました。すると、意外な展開で人のご縁が結び付き、今年6月にIPO挑戦隊の8期生として入会のチャンスを頂きました。
IPO挑戦隊では、自社の成長戦略を明確にしておくことで企業レベルを高めながら、上場に向けた事業計画書を作成していきますが、当社は2019年7月に福岡証券取引所でのIPOを目指しています。
IPOにおいては社内組織の強化やブランド力の向上、企画開発に向けた資金調達などが主な目的になるものの、私自身にとってはIPO挑戦隊への入会自体が、〝天の配剤〞だと感謝しております。
元部下たちの〝受け皿〞として会社設立。PowerSystems の日本一獲得をスタート時に宣言 私自身、IT技術者として長年、I B M 製サーバーであるPowerSystems の堅固性と安定したパフォーマンスを高く評価してきました
365日・24時間稼働する企業向けのサーバーとして最適の製品です。また、今日のクラウドサービスにとっても最適なサーバーといえます。私たちは技術者集団として、このPowerSystems を軸にしたシステムの構築やサービスの開発に取り組んできました。
以前、会社に勤めていた時にIBMとの間で合弁会社を設立しました。当時、29歳だった私は、自ら設立した合弁会社へ出向しました。その後、5年を経って合弁会社は、立派な企業になったので、IBMが100%出資子会社にすることになりました。
IBMの子会社化になったタイミングでIBM移籍の話もありましたが、出向元の勤務先に戻りました。たしかに私自身、IBMが大好きでしたが、現場のお客さまから遠い存在になってしまうので、勤務先に復帰しました。
しかし、合弁会社で部下だった5人がその後フリーターみたいな感じで仕事をしており、彼らの社会的な保障のために設立したのが当社です。
その後、私自身は勤務先に在籍し、十分に恩返しができたので会社を辞めて、彼らと合流しました。
最初、社員5人、家族を含めてもわずか10人という少人数の前で「俺たちはPowerSystems で日本一になる」と宣言して、博多駅近くの小さな事務所からスタートしました。
IBMユーザー会の九州会長で全国の副会長。2011年に稲盛経営者賞を授与
当時、従業員約300人の企業から従業員5人の会社の代表に就任したこともあり、最初の1カ月は色々な企業を回りながら1件も営業が取れませんでした。その後いくらか受注できたものの、途方に暮れていた時に盛和塾の稲盛和夫塾長の講話を聴く機会があり、大変感銘を受けました。
すると、不思議なことによく知らない方々や見知らぬ企業などから仕事の話を相次いでいただき、私自身が理解できないようなサムシンググレード(人智を超えた出来事)が起きました。おそらく、そのような〝気〞の中に巻き込まれたのではないでしょうか。その時に恵まれた方々とのご縁や出会いが糧になって、会社の経営も軌道に乗りました。
たしかに営業活動は依然として不得手でしたが、みなさんのお世話を率先してやりながら、IT技術を磨くことに専念していくと、結果として営業的にも伸びていきました。そして、2011年2月にIT企業全国270社が加盟するユーオス・グループの理事長に就任。2011年6月九州IBユーザー研究会(110社)会長、2014年7月全国IBMユーザー研究会連合会(1900社)副会長に就任しました。この間、2011年に稲盛経営者賞授与という名誉も頂きました。現在、盛和塾福岡の代表世話人の任を頂いております。
〝経営参謀エンジニア集団〞として、お客さまとの成長・発展に尽力する
当社の事業コンセプトである「社会が応援したくなる会社」の実現に向けて、お客さまの成功、そして社員の幸せのために全力を注いでいきたいと考えます。
最近、取引先であるお客さまの経営会議にIT顧問として呼ばれる機会が増えてきました。企業経営者にとっての経営参謀的な存在は、税理士や会計士と思われがちですが、今日のビジネスにおいてITが不可欠な現状を踏まえ、私たちも「IT士」として経営参謀の一角に加わることが目標の一つです。
私たちは、「経営を語らずして、お客さま向け支援はあり得ない」と考えており、IT技術を磨く一方で、経営コンサルタントに指導を仰ぎながら研鑽を重ねています。
今後、企業経営者にとって大きな経営課題になるマイナンバー対策としてもクラウド技術を活用したガイドライン準拠のセキュリティーサービスであるMySOCを提供しており、広くご活用いただきたいと考えています。
そして、私たち自身も〝経営参謀エンジニア集団〞として、お客さまと共に未来永劫、成長・発展続けていきたいと願っています。